カルチャーショック イースター島2
Blog|更新日:2023年3月12日/日曜日
夕日を見終わってホテルに戻ると、静けさに負けてすぐに寝てしまった。夜中に何度も断続的な雨に起こされる。こんなに降って明日のツアーは大丈夫なのだろうか?朝7時に窓から外をのぞくとまだ薄暗かった。だからか…。ホテルの朝食が8時からなのもうなずける。8時過ぎに朝食を食べに行くと、すでに大勢の人がいた。ハムとチーズ、シリアル、マンゴーとグアバジュースといったところ。昨日の夜夕食を食べなかったので、たくさん食べる。雨はうそのように上がり、いい天気になりつつあった。ツアーは、いろいろな国の人が一台のバンに乗った。15人いる中には、オーストラリア人、チリ人、韓国人もいた。3分の2以上はスペイン語で話す。英語はここでは少数派だ。オロンゴという地のカノ・カウという火山に向かう。村からおよそ15分近くの山だ。よく何があるかわからないまま足を踏み入れると、想像を超える景色がそこにあった。何もさえぎらない紺碧の海、そして空。こんなにも美しいのか!360度が海で、本当にここが絶海の孤島だということをいやがおうにでも思わせてくれる。火口が湖になっている。トトラ葦が湖の半分以上を覆って、それがまたこの湖に神秘さを与えている。湖の青さに感動していたが、しばらくしてそれは湖の色でないことに気付いた。湖の周りを歩くと色が変わるからだ。それは空の青を反射していたのだ。美しさに溶け込んでいくような感じになる。こんな絶海の孤島に身を置いて人生を過ごすのも一つかもしれない。と思ってしまう。山を下りて、村を抜けて海岸線を走ると、昨日マウンテンバイクで来たところだった。でも同じモアイも違う日に見るとまた違って見える。半日ツアーは12時半に終わった。昼食を食べに町のメインストリートを歩くがめぼしいレストランがない。どうしようかと思っているうちに街は終わってしまった。このイースター島は村に集中して店やホテルがあるだけ。その他は何もない。モアイと火山と馬と牛。それでも戻る気にはなれず、メインストリートを右折しビーチに向かう道路に入った。ひたすら歩く。10分ほど歩くと左手に「KONO YOGA」という看板が目に入る。何の店かわかるわけがない。自分が話すのは、日本語と英語とNOSA語だけ。中をのぞくと中庭があって、その奥がレストランのような雰囲気もある。ええい、いいやと思って中に入る。がらんとしてだれもいない店内。”Are you open?” “Yeah.” 小さなスパゲティ屋さんだった。イースター島に来てスパゲティかとも思ったが、お腹はすいているし、客はだれもいなくてゆっくりできるかと思い席に着いた。チリビールと何かわからないパスタを頼んだ。待っている間気を使って英語の雑誌を持ってきてくれた。こんなにいいレストランなのに客は自分一人。だいたいこんな裏通りにある上、看板にレストランとも書いていない。小さなトーストが来た。この店は女性が経営をしているらしい。お母さんはその手伝いで、英語で話しかけても「わたしゃーわからんよ。英語は。娘に言って、娘にね。」とスペイン語で言った。本当はどうか定かでないが、雰囲気的にはそうだろう。そのトーストに卵のようなマーガリンのような不思議なものを塗って食べる。うまい!初めての食感!うまい。店の女主人に「これは何だ?」と聞く。「あ~ん、ちょっと待ってて。」という感じで小走りで奥に行った。すぐに辞書を持って戻ってきた。彼女の指すところには、chicken peaと書いてある。???そして、さらには vegetableを指差した。彼女は “You know I’m saying?”(「わたしの言いたいことわかる?」)と言う。よくわかなかった。後から考えれば、「ひよこ豆のペースト」だったのだろうかと思っているが。肝心のパスタは緑色で固かった。まあ、いい。よくしてくれたから。ついでに店のアドバイスもした。もっとメニューの看板は道路沿いに出さないと、通りを行く人にレストランだと気づいてもらえないと。(つづく)